遺産分割を通して未成年の相続人への借金の相続を回避した事例
- 公開日:2019.01.04
- 最終更新日:2024.11.15
状況
生前相談者の父が不動産を担保に金融機関から借り入れをしており、その際の債務が残っている状態で借り入れの名義人である父が亡くなりました。
相談者が金融機関から、「不動産の名義を変更しなければ、融資ができない」と言われ、困った相談者が当事務所にお越しになりました。
相続人には未成年のお子さんがいましたが法定相続分通りに名義変更をしてしまうと、未成年のお子さんにも債務を引き受けてもらわなければならない可能性がありました。
司法書士の提案&お手伝い
当事務所にて、家庭裁判所に納得いくような代償分割型の遺産分割協議案を提示いたしました。
代償分割ということで、相談者とお子さんの二人で遺産分割をして相続を行うのではなく、相談者の方がすべての土地を相続することにしました。
その結果、不動産の代償分割に付随して、相続される負債も相談者の方がすべて背負うという形をとりました。
また、当事務所の司法書士が特別代理人の選任の手続きをとることにいたしました。
結果
「未成年の子供に借金を相続させたくない」という相談者の方の願いを叶える形で遺産分割協議を無事に行うことができました。
また、金融機関との間でも債務引き受けが完了し、借金の相続をせずに済みました。
土地の名義変更も無事完了したため、融資も受けることができました。
未成年の相続の注意点
今回のケースのように未成年の相続については、成人した大人の相続と異なる点や特に注意しなくてはならない点が存在します。
特に特殊な点については以下の3つです。
未成年の相続が発生している方、発生する可能性のある方は必ず頭に入れておいてください。
①未成年控除の存在
未成年の相続が発生した際には、通常の相続税から一定の金額を控除することができます。
未成年者が相続税を減額する規定を「未成年者控除」といいます。
これは、未成年の相続人が大人になるまでに必要になる教育費などの養育に必要になる費用を勘案して、相続における負担を減らすという目的の元に行われる控除になります。
実際には「相続税額ー年齢に応じた控除額」という形で控除されます。
例えば未成年の相続人の相続税額が「30万円」、年齢に応じた控除額が「100万円」というように控除額のほうが大きくなる場合には、他の相続人の相続税額から差額の「70万円」を控除として引くことができます。
②未成年の相続人は、法律行為を行えない
未成年者はまだ自分で判断し、単独で遺産分割協議や相続放棄といった法律行為を行うことができないとされ、相続放棄についても自身で手続きをすることができないこととなっています。
そのため今回のケースのように、未成年の相続人についての遺産分割協議を行いたいと考えている場合には「特別代理人」を選定する必要があります。
なお、家庭裁判所が特別代理人を探すのではなく、申立人が申立時に候補者を決めておきます。特別代理人になるのは叔父や叔母など、相続人でない親族が選ばれるのが通常ですが、司法書士等の相続の専門家が選ばれることもあります。
③未成年者が相続放棄ができる期間
相続放棄が出来る期間は民法により、次のように定められています。民法第915条
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
この民法第915条で相続放棄は3ヶ月以内にしなければならないとされているため、原則として相続放棄では相続放棄をする本人が相続開始を知ってから3ヶ月以内に相続放棄の手続きをしなければいけません。もっとも、未成年者では相続放棄の熟慮期間は法定代理人である親権者が未成年者のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内とされています。
そのため、未成年者の場合は、未成年者本人が相続を知ってからではなく、法定代理人が未成年者のために相続開始があったことを知ってから3ヶ月以内となります。
未成年のお子様がいる場合は、相続の専門家への相談をおすすめします
以上の3点が特に覚えておくべき「未成年の相続」の注意点になります。
特に2つ目の「特別代理人」については、未成年の相続が発生するまで知らなかったという方も多いのではないでしょうか?
「まだまだ若いから相続なんて」と思うかもしれませんが、いつ何が起こるかは、誰にもわかりません。
大切な我が子に借金を背負わせることのないよう、遺言書の準備をおすすめいたします。
相続人や内容をあらかじめ定めておくことで、避けられるリスクも沢山あります。
未成年の相続に関して以下のような思いや悩みをお持ちの方は一度相続の専門家に相談してみることをおすすめします!
・そもそも未成年の相続がよくわからない
・我が子に借金を背負わせたくない
・未成年控除の申請の仕方がわからない
・未成年の相続人の相続放棄を行いたい
・特別代理人の選定を行いたいがどうすればいいかわからない
・将来的に未成年の相続が発生しそうで対策をしたい
自分一人で考えるのではなく、専門家の視点を取り入れることでより良い相続の形を実現することができます。
無料相談で専門家から話を聞いてみませんか?
当事務所では今回のような「未成年の相続」を含む様々な相続に関するお悩みをお持ちの方に向けて無料相談を実施しております。
まずは無料相談にてお客様がお持ちのお悩みをご共有いただければと思います。
相続に専門特化した司法書士が親切丁寧にお話をお伺いして最適なご提案をさせていただきます。
予約受付専用ダイヤルは089-931-1240になります。松山市内に家族がいない、土地などがないという方でも大歓迎でございます。
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項目 | 相続登記 節約プラン |
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被相続人の出生から死亡までの戸籍収集 ※1 | × | 〇 |
相続人全員分の戸籍収集 ※1 | × | 〇 |
収集した戸籍のチェック業務 | 〇 | 〇 |
相続関係説明図(家系図)作成 | × | 〇 |
残高証明書取得(預貯金・株式) | × | × |
評価証明書取得 | × | 〇 |
遺産分割協議書作成(1通) | × | 〇 |
相続登記(申請・回収含む) ※2、3、4、5 |
〇 | 〇 |
不動産登記簿謄本取得 |
〇 | 〇 |
預貯金の名義変更 ※6 | × | × |
パック特別料金 | 77,000円~ | 154,000円~ |
※1戸籍収集は3名までとなります。以降、人数が増加する毎に別途料金を頂戴致します。
※2 相続登記料金は、「不動産の個数(筆数)が2以上の場合」「複数の相続が発生している場合」には、追加料金をいただきます。
※3 不動産の評価額により、料金に変更が生じる場合がございます。
※4 不動産が多数ある場合、不動産ごとに相続人が異なる場合は、申請件数が増えますので別途加算されます。
※5 当事務所の報酬とは別に登録免許税(固定資産評価額の0.4%)が必要になります。
例えば、不動産の評価額が2,000万円の場合、国への税金として2,000万円×0.4%=80,000円が別途掛かります。
※6 預金口座の名義変更が必要な場合は、別途加算されます。
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※すべて税込価格
相続財産の価額 | 報酬額 |
---|---|
200万円以下 | 220,000円 |
500万円以下 | 275,000円 |
500万円を超え5000万円以下 | 275,000~869,000円 |
5000万円を超え1億円以下 | 869,000~1,419,000円 |
1億円を超え3億円以下 | 1,419,000~2,959,000円 |
3億円以上 | 2,959,000円~ |
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