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遺産分割協議書の作成方法

公開日:2019.07.15
最終更新日:2024.09.11

遺産分割協議書は取り消しが非常に困難

遺産分割協議書は相続人全員が、1人ずつ署名、実印を押すことで成立します。通常、遺産分割協議書に署名・押印をする場合は、その遺産分割の内容に納得した上で、行うことになりますが、「遺産分割を早く終えたい」「署名を求められたので、慌てて署名してしまった」など、自分が納得しないまま、遺産分割を進めてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、遺産分割協議書に実印を押し、署名をしてしまった場合、それを取り消すことは、極めて困難です。

そのためにも遺産分割協議書の作り方と遺産分割協議書を作る際の注意点を知っておきましょう。また、わからないことやご自身に当てはまるかわからないことがあれば、専門家に相談することをおすすめいたします。

遺産分割協議書の作り方

遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書にその内容を記載します。遺産分割協議書の作り方のポイントを押さえておきましょう。

■用紙

紙の大きさに制限はありません。

■署名・押印

相続人全員が遺産分割協議書に署名し、実印を押印してください。
遺産分割協議書が複数ページにわたるときは、相続人全員の実印で契印してください。

法務局では、少しの記入ミスでも訂正を求めますので、できれば捨印があった方がいいでしょう。
捨印を押すのを嫌がる相続人がいるときは、チェックして間違いがないことを確認しましょう。
署名の後ろに捺印する実印は、鮮明に押印する必要があります。

納得いかないまま遺産分割協議書に押印してしまった場合

遺産分割協議書は相続人全員が、1人ずつ署名、実印を押すことで成立します。通常、遺産分割協議書に署名・押印をする場合は、その遺産分割の内容に納得した上で、行うことになりますが、「署名を求められたので、慌てて署名してしまった」「急いで押印が欲しいと言われたので押印してしまった」など、自分が納得しないまま、遺産分割を進めてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、遺産分割協議書に実印を押し、署名をしてしまった場合、それを取り消すことは、非常に困難です。

特に、その遺産分割協議書を使って、不動産の名義変更(相続登記)などを実施してしまった後で取り消すことは特に困難を極めます。

しかし、遺産分割協議書が無効・解除・取り消しになる場合もあるため、その具体例を下記で、ご説明させていただきます。

そのため、遺産分割協議書に署名・押印をする前に、不安なことや疑問があるのであれば、まず初めに、専門家に相談することをお勧めいたします。

■財産の表示

不動産の場合、住所ではなく登記簿どおりの表記にしてください。銀行等は、支店名・口座番号まで書いてください。

■日付

遺産分割協議書の相続人が署名、押印した日付は、遺産分割の協議をした日か、あるいは最後に署名した人が署名した日付を記入するようにしましょう。

■相続人の住所・氏名

必ず、相続人本人に署名してもらいましょう。
住所、氏名は、印鑑証明書に記載されているとおりに記載します。

■印鑑証明書の添付

押印した実印の印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議書は、作り方を間違えると効力が生じなくなってしまうことがありますので、作成される際は専門家にご相談することをお勧めします。

遺産分割協議書を作成するために必要な資料

あくまで一例として遺産分割協議書を作成する際に必要な書類を紹介します。
特殊な事情がある場合には必要な戸籍や書類が増える可能性があるため、
一度、専門家に相談する事をお薦めします。

亡くなった方の出席から死亡までの戸籍、除籍、戸籍の附表

今回の相続において、法定相続人となる方を確定させるためにも必ず確認を行う必要あある書類です。
亡くなった方の最後の戸籍を始めに取り寄せた後に、本籍の変更などを行っている場合には、
順に遡って出生時の戸籍まで収集していく必要があります。

本籍地の移動がない場合には、非常に簡易な作業で終わりますが
何度も移動している場合、移動先が遠方の場合などは非常に手間がかかります。
中には外国の書類迄収集する必要が出てくる可能性もあります。

相続人全員の戸籍謄本

相続人となる方全員の現在の戸籍謄本が必要です。
被相続人(亡くなった方)の場合と異なり、出生迄遡る必要はありません。

後の書類も同様ですが、疎遠だったり関係性の良くない相続人がいる場合、
これらの書類を集めることも手間の掛かる作業と言えます。

相続人全員の住民票

役所に申請を出すことで取り寄せることが可能です。

相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書では「同意した」ことを示すために実印での押印が必要となります。
そのため、押印した実印が確かに相続人の物であるという事を示す書類が必要になります。
役所、場合によってはオンライン申請やコンビニなどで取り寄せることが可能です。

財産目録

相続人が所有している財産を書式化したものが必要です。
不動産(土地・建物)、預貯金、株式などプラスの財産は勿論のこと、
マイナスの財産(借金など)も記載する必要があります。

遺産分割協議書の完成例

作成時の注意点

遺産分割協議書の作成をする際に、下記について特に注意が必要です。

①代償分割をする場合、「第●項の遺産取得の代償として、金〇〇万円を支払う。」と記載

②相続人の中に未成年者や障がい者など、意思能力がない人が相続人にいる場合、相続人の氏名の後ろに法定代理人であることを明記し、親権者や後見人等の法定代理人が署名し実印で捺印

③不動産について記載する場合は登記簿謄本をそのまま写して記載

④預貯金、株式については口座番号まで特定できるように記載

⑤必ず、遺産分割協議書には自筆のサインと実印の押印をすること

加えて、遺産分割協議の注意点もまとめておりますので、あわせてご確認ください。

遺産分割協議の注意点>>

上記について、よくわからない、とお感じになった場合は、遺産分割案や遺産分割協議書をお持ちになって、当事務所の専門家にご相談いただくことをおすすめいたします。

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この記事の執筆者
司法書士法人南海リーガル・行政書士法人南海リーガル 代表 西森淳一
保有資格 司法書士・行政書士
専門分野 不動産登記・会社登記・相続遺言
経歴 平成25年8月に松山市にて開業以来、「地元愛媛県の皆様のために」の信念のもと、一つ一つの業務に全力で取り組み、数多くの案件に携わってまいりました。
皆様から大切な仕事のご依頼をいただき、終わったあとに「任せてよかった」といった言葉をいただくのは大変うれしいものです。そんな言葉をより多くいただけることを目標に日々の業務に取り組んでいます。どうぞお気軽にご相談ください。

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