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夫婦共有名義の自宅、パートナーが亡くなったらどうなる?相続手続きの注意点と「放置」の代償

「長年連れ添った夫(妻)が亡くなり、自宅が夫婦ふたりの共有名義だったことに改めて気づいた」
「半分は自分の名義だから、そのままでも大丈夫だろうか?」

愛媛・松山エリアで相続のご相談をお受けする中で、このようなお悩みを非常に多く伺います。かつて、共働き世帯や住宅ローンの控除を受けるために、自宅を「夫婦共有名義」にする選択をされた方は少なくありません。

しかし、共有名義の片方が亡くなった瞬間、その不動産は「平穏な住まい」から「複雑な権利関係の火種」に変わるリスクを孕んでいます。

本記事では、司法書士の視点から、夫婦共有名義の片方が死亡した際の相続ルール、2024年4月から始まった「相続登記の義務化」、そして愛媛の皆様に知っておいてほしい具体的なトラブル事例を詳しく解説します。

夫婦共有名義の「片方の持ち分」はどこへ行くのか?

まず結論からお伝えします。亡くなった配偶者が持っていた「持ち分(所有権の割合)」は、自動的に残された配偶者のものになるわけではありません。

法定相続分による分割

亡くなった方の持ち分は、法律で定められた「法定相続人」全員の共有財産となります。

つまり、共有名義の自宅の場合、「自分(配偶者)の持分」+「亡くなった方の持分の相続分」という、非常に細分化された権利状態になります。

遺産分割協議が必要

「この家には私が住み続けるのだから、全部私の名義にしたい」と考えるなら、相続人全員で「遺産分割協議」を行い、全員の合意を得た上で、法務局へ名義変更(相続登記)を申請しなければなりません。

【エピソード】「仲が良いから大丈夫」が通用しなくなった愛媛の事例

ここで、私が実際に担当した、愛媛県内のあるご家族のケースをご紹介します。(※プライバシー保護のため、一部内容を変更しています)

【事例:松山市在住・70代 A様(女性)のケース】

A様は、亡くなったご主人と30年前に自宅を「2分の1ずつ」の共有名義で購入しました。子供は県外に二人。家族仲は良好で、A様は「子供たちも『お母さんの好きにしていいよ』と言ってくれるし、名義変更なんて急がなくていい」と、手続きを数年間放置していました。

転機は、長男が事業資金のために借金を抱えたことでした。長男の債権者が「長男が相続するはずの自宅の持ち分」に目をつけ、差し押さえを検討し始めたのです。また、追い打ちをかけるように、次男が不慮の事故で亡くなり、次男の妻(疎遠だった義理の娘)が相続権を持つことになってしまいました。

結局、A様は住み慣れた家を守るために、会ったこともない親族と交渉し、多額の代償金を支払うことになりました。

「あの時、すぐに名義を書き換えていれば…」 A様が涙ながらに語ったこの言葉は、私たち専門家にとって非常に重いものです。

「今」問題がなくても、時間が経過することで、相続人に「認知症」や「数世代にわたる数珠つなぎの相続」が発生し、収拾がつかなくなるのが共有名義の怖さです。

2024年4月スタート!「相続登記義務化」の衝撃

これまで、不動産の名義変更(相続登記)は任意でした。しかし、所有者不明土地の問題を解決するため、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。

義務化のポイント

夫婦共有名義の場合、「半分は自分のもの」という意識があるため、義務化の認識が薄れがちです。しかし、亡くなった方の「持ち分」について登記を怠れば、法改正のペナルティを受ける対象となってしまいます。

 夫婦共有名義の相続を放置する「3つのリスク」

① 売却やリフォームができない

共有名義の不動産を売却したり、大規模なリフォーム(建て替え等)を行ったりする場合、名義人全員の同意が必要です。亡くなった方の名義が残ったままだと、その「亡くなった人の意思」を確認できないため、事実上、売却や融資の利用ができなくなります。

② 二次相続で権利がカオス化する

先ほどのA様の事例のように、名義をそのままにしている間に、残された配偶者も亡くなってしまう(二次相続)と、子、孫、さらには会ったこともない親戚までが権利者として登場します。こうなると、ハンコ代の請求や家庭裁判所での調停など、精神的・経済的に大きな負担がかかります。

③ 認知症リスク

相続人の一人が認知症になり、判断能力を失ってしまうと、遺産分割協議ができなくなります。その場合、高額な費用を払って「成年後見人」を立てる必要があり、手続きはさらに複雑化します。

 相続登記をスムーズに進めるための「3ステップ」

相続が発生したばかりの時期は、精神的にもお忙しいことと存じます。しかし、以下のステップを知っておくだけで、その後の負担が大きく変わります。

ステップ1:戸籍謄本等の収集

亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を集めます。これにより、誰が相続人であるかを確定させます。※愛媛県外に本籍がある場合などは、郵送請求が必要になり時間がかかります。

ステップ2:遺産分割協議書の作成

「亡くなった配偶者の持ち分を、誰が引き継ぐか」を記した書面を作成し、相続人全員の署名・実印での押印を行います。

ステップ3:法務局への登記申請

管轄の法務局(松山地方法務局など)に申請書を提出します。登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)の納付が必要です。

なぜ「南海リーガル相続相談室」が選ばれるのか

自分たちで手続きを行うことも不可能ではありません。しかし、夫婦共有名義の相続は、単なる名義変更以上の「将来の家族設計」が問われる作業です。

当事務所では、単に書類を作るだけでなく、以下のようなサポートを大切にしています。

まとめ:大切な住まいを「負動産」にしないために

夫婦共有名義の片方が亡くなった時、それは「家」という大切な財産を次の世代へどう繋ぐかを考える、最も重要なタイミングです。

「今はまだ大丈夫」「家族仲が良いから急がなくていい」という思い込みが、将来、大切なお子様や孫世代を苦しめてしまうかもしれません。相続登記の義務化が始まった今、早めに対策を講じることが、結果として最も安く、そして確実に家族を守る方法です。

まずは「無料相談」をご活用ください

南海リーガル相続相談室では、初回のご相談を無料でお受けしています。

どんな小さな疑問でも構いません。松山市周辺をはじめ、愛媛県内全域の皆様からのご相談をお待ちしております。

あなたの守ってきた大切な住まい。その価値を次世代へ繋ぐお手伝いを、私たち専門家にぜひお任せください。

この記事の執筆者
司法書士法人南海リーガル・行政書士法人南海リーガル 代表 西森淳一
保有資格 司法書士・行政書士
専門分野 不動産登記・会社登記・相続遺言
経歴 平成25年8月に松山市にて開業以来、「地元愛媛県の皆様のために」の信念のもと、一つ一つの業務に全力で取り組み、数多くの案件に携わってまいりました。
皆様から大切な仕事のご依頼をいただき、終わったあとに「任せてよかった」といった言葉をいただくのは大変うれしいものです。そんな言葉をより多くいただけることを目標に日々の業務に取り組んでいます。どうぞお気軽にご相談ください。

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