相続登記の義務化【4月施行!過去の相続は?罰則はあるの?】|相続の専門家が解説
- 公開日:2023.12.16
- 最終更新日:2024.09.08
相続登記の義務化が2024年の4月1日に施行されました。
今回の改正法による「相続登記の義務化」における重要なポイントは3点です。
・相続により土地の取得を知った日から三年以内に登記をしなければならない
・過去の相続についても登記申請を行わなければならない
・理由なく上記に違反した場合、10万円以下の過料が課される
それぞれについて解説していきますので、過去に相続が発生した方や今後相続が発生する可能性のある方は参考にしてください。
目次
【前提】相続登記とは
最初に相続登記とは何かという点について解説します。
相続登記とは、相続人が財産を受け取るために被相続人(亡くなった方)が生前所有していた土地や不動産の名義変更を行うことを言います。
不動産や土地については、所有権などの権利関係をはっきりさせる必要があります。
仮に登記をせずに放置していた場合、数次相続が発生して相続手続きが複雑化したり、所有者不明の土地が発生したりと様々な問題が発生します。
今回の義務化の背景として、近年このような放棄されている所有者不明の土地が増加しており公共事業や都市開発が進まないというような問題が発生したという点もあります。
相続登記の義務化のポイント
相続登記と義務化の背景を簡単に説明したところで、改めてポイントに関して振り返ります。
今回の改正法でのポイントは下記の3点でした。
①相続により土地の取得を知った日から三年以内に登記をしなければならない
②過去の相続についても登記申請を行わなければならない
③理由なく上記に違反した場合、10万円以下の過料が課される
簡単に言えば、相続登記を「三年以内」に行わなければならず、反した場合10万円の過料が課されるというルールが新たに設けられたということになります。
3点それぞれについて詳細を解説していきます。
①相続により土地の取得を知った日から三年以内に登記をしなければならない
今回の改正法で不動産や土地の相続が発生した場合「相続による土地の取得を知った日から」3年以内に相続登記を行うことが義務付けられました。
相続による土地の取得を知った日(相続の発生日)とは下記の2点を知った日を指します。
・被相続人の死亡
・被相続人の不動産を自分が相続するという事実
この2点のどちらかを把握していない場合には「その時点では」相続登記の義務は発生しません。
また、相続人間での関係性が薄いなどの理由から遺産分割協議が長引き、3年以内に相続登記を終えることが難しい場合もあるかと思います。
このようなケースの為に用意されたのが「相続人申告登記制度」となります。
相続人申告登記制度とは
先述のように、遺産分割協議が長引いてしまっている・遺産分割調停を行うことになったなどの理由から相続登記を行うことが出来ない際に利用をする制度です。
相続人申告登記制度では遺産分割協議が全員の承認を取れていない段階で、不動産ごとにひとまず法定相続人が誰かということを登記します。
この申請を行っておくことで、相続登記の申請義務は果たしたとみなすことが出来ます。
ただし、この相続人申告登記は本来の不動産や土地の登記と異なり、遺産分割協議が固まるまでの暫定的な処理です。
そのため、遺産分割協議が完了し各不動産が誰に相続されるのかが決定され次第「3年以内」に相続登記を行う義務があります。
遺産分割協議が長引いてしまっているという場合にはこの制度を活用することを推奨します。
②過去の相続についても登記申請を行わなければならない
今回の改正法では、過去に発生した相続で名義変更が行われていない土地や建物も登記義務の対象になります。
「自分が相続手続きを行ったのは15年前だからもう関係ないな」という考え方は間違っていますので注意しましょう。
過去の相続において名義変更が行われていない不動産については「改正民法が施行された日」から3年に相続登記を行う義務が発生します。
登記手続きが勝手に行われるということは無いので、仮にすでに亡くなった方の不動産の名義変更を行っていないということがあれば、出来るだけ早く手続きを行いましょう。
③理由なく①、②に違反した場合、10万円以下の過料が課される
相続登記の義務化が施行された日より後に、被相続人の死後3年以内に登記手続きを行わなかった場合、罰則が発生します。
何度が記載している通り10万円以下の過料が課されることになります。
過料は罰金などとは異なり前科が付くなどということはございませんが、余計に10万円払うくらいならば早めに相続登記を行うべきです。
専門家からのアドバイス
本コラムでは相続登記の義務化について解説致しました。
義務化ということで、今回の改正法により相続登記は行わなければならない手続きとなります。
しかし、専門家の観点から言えば相続登記は義務化されていなくても行うべき手続きです。
本コラムの序盤でも記載した通り、被相続人名義の土地を放置しておくことは数次相続による権利の複雑化などの原因となるからです。
そのため、「施行から3年以内で良いならまだ期限に余裕がある」という考え方ではなく、出来るだけ早く手続きを進める事をお薦めします。
ただ、「相続登記と言われても何から行えばよいのか分からない…」「仕事が忙しく役所に行く時間がない…」という方もいるかと思います。
そういった方は是非、一度専門家に相談してください。
専門家の話を聞く事で、やらなければならない事が明確になります。また、場合によっては相続登記を専門家に依頼することで自身の手間を出来る限り使わないという方法も可能です。
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この記事の執筆者
- 司法書士法人南海リーガル・行政書士法人南海リーガル 代表 西森淳一
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保有資格 司法書士・行政書士 専門分野 不動産登記・会社登記・相続遺言 経歴 平成25年8月に松山市にて開業以来、「地元愛媛県の皆様のために」の信念のもと、一つ一つの業務に全力で取り組み、数多くの案件に携わってまいりました。
皆様から大切な仕事のご依頼をいただき、終わったあとに「任せてよかった」といった言葉をいただくのは大変うれしいものです。そんな言葉をより多くいただけることを目標に日々の業務に取り組んでいます。どうぞお気軽にご相談ください。
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